アスピリン:どんな薬?どのような種類があるの?飲み方や注意点、副作用は?
更新日:2020/11/11
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- 東海大学医学部内科学系循環器内科学の専門医の後藤信哉と申します。
 - このページに来ていただいた方は、発熱や発熱による痛みについてのお悩みがあり、アスピリンの処方を希望されておられるかもしれません。
 - アスピリンを飲み始めるにあたり、それがどのような薬であるのかについて役に立つ情報をまとめました。
 - 私が日々の診察の中で、「特に気を付けてほしいこと」、「よく質問を受けること」、「本当に知ってほしい」ことについて記載をさせていただいています。
 
まとめ
- アスピリンは解熱鎮痛薬の一つで、熱を下げたり、痛みを抑える働きがあります。
 - また、少量の使用では心筋梗塞、脳梗塞、突然死などの予防効果があると注目されています。
 - 喘息の人は注意が必要です。
 - アナフィラキシーのリスクもあるので、アレルギーの既往のある人は使わない方が良いです。
 - アスピリンは副作用で消化管(胃や腸)に潰瘍を作ることがあるため、過去に胃潰瘍の既往のある人も注意が必要です。
 - 使用用量は必ず守って服用してください。
 
どんなくすり?おおよその値段は?

- アスピリンは解熱鎮痛薬の一つで、熱を下げたり、痛みを抑える働きがあります。
 - また、少量の使用では心筋梗塞、脳梗塞、突然死などの予防効果があると注目されています。
 
どんな目的で使用するの?

- アスピリンは下記のような目的で使用します。
 
使用目的
- 鎮痛・解熱
 - 血栓の予防
 

- 心筋梗塞などの病気は心筋に酸素や栄養を送る冠動脈が血の塊(血栓)によって閉塞することで発症します。
 - 血栓形成には血小板が関わっています。
 - アスピリンは血栓形成の機序を阻害する効果があります。
 - 大腸ガンの一部などは炎症により惹起されるので大腸ガン予防効果も期待されています。
 
どのように治療を受けるの?

- 喘息の人は注意が必要です。
 - アナフィラキシーのリスクもあるので、アレルギーの既往のある人は使わない方が良いです。
 - アスピリンは副作用で消化管(胃や腸)に潰瘍を作ることがあるため、過去に胃潰瘍の既往のある人も注意が必要です。
 - しかし、最近プロトロンポンプ阻害薬にて予防が可能になりました。
 
副作用ってよく聞くけど、どんなことが起こるの?治療中の注意点は

- 喘息の既往のある人は発作重積を起こす可能性があるので注意して下さい。
 - また、胃痛、消化管(胃や腸)の潰瘍などは一定の頻度で合併します。
 - 血液をサラサラにする薬なので、脳出血などの重篤な出血合併症も年間1000例に2例程度は起こります。
 
もっと知りたい! アスピリンのこと
アスピリンの代替薬は?

- アスピリンと同様の抗血小板薬にはチクロピジン、クロピドグレルがあります。
 - 冠動脈、脳血管、末梢血管疾患でアスピリンが飲めない場合にはクロピドグレルが代替薬になります。
 
アスピリンに併用する薬は?

- 冠動脈にステントを入れた場合の血栓予防にはアスピリンでは不十分です。
 - クロピドグレル、プラスグレル、チカグレロールなどのP2Y12 ADP受容体阻害効果を持った抗血小板薬の併用が必須です。
 - 抗血小板薬を併用すると重篤な出血イベントリスクが増加するので併用期間は数ヶ月以内と短いことが大切です。
 
								


