唾石症:どんな病気?検査や治療は?どれぐらいで治るの?
更新日:2020/11/11
- 旭川医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科に所属しています高原幹と申します。
- 今回は唾石症でお悩みの方に少しでもお役に立てるよう、本疾患について診断、治療等をまとめました。
目次
まとめ
唾石症は、どんな病気?
- 唾石症とは、唾液腺(主なものとして耳下腺、顎下腺、舌下腺)や唾液腺管内に石ができてしまう病気です。
- 唾石のほとんどは顎の下にある顎下腺、およびその管に発生します。
唾石症と思ったら、どんなときに病院への受診したらよいの?医療機関の選び方は?
- 食事の際に、耳の下(耳下腺)、顎の下(唾液腺)が繰り返し腫れたり、痛くなったりした場合は、唾石症の可能性がありますので、耳鼻咽喉科にご相談ください。
唾石症になりやすいのはどんな人?原因は?
- 唾石症にどんな人がなりやすいかというのは、特にありません。
- 唾石ができる原因は明らかになってはいませんが、何か小さな芯になるものがあり、そこにカルシウムが徐々に沈着すると言われています。
どんな症状がでるの?
- 食事の際に、耳の下(耳下腺)、顎の下(唾液腺)が繰り返し腫れたり、痛くなったりしたりします。
- 症状が出る仕組みとしては、食事の際に唾液腺から唾液管を通って口の中に出る唾液が、唾石により唾液がせき止められ、唾液の流れが悪くなること症状が出ます。
- 唾液の流れが悪いことで感染を起こしやすくなり、そうなるとさらに症状は強くなります。
お医者さんに行ったらどんな検査をするの?
- 診察で唾液腺を触り、唾液腺が腫れているか、唾石があるかどうか、確認します。
- 超音波検査やCT検査で唾石が実際にあるかどうか確認します。
- 唾石がないことが確認できたら、他の唾液腺疾患がないかどうか採血などで確認します。
どんな治療があるの?
- 唾液腺が腫れて痛みがある場合は、唾液腺が炎症を起こしていると考え、抗菌薬により炎症を抑えます。その後の治療は、症状の出方により異なります。
- 症状が初めて出た方、症状が軽い方、唾石が小さい方:経過観察で様子を見ます。
- 症状を繰り返している方、唾石が大きい方:手術により唾石を摘出します。方法は2種類あり、皮膚切開をする方法と口内から粘膜切開をする方法があります。唾石の位置や大きさにより、手術の方法が決まります。担当の先生とよくご相談ください。
お医者さんで治療を受けた後に注意をすることは?治療の副作用は?
経過観察の場合
- 定期的な受診が望ましいと思われます。
- 唾液腺腫脹が出てきた場合は受診日ではなくともなるべく早く病院へいらして下さい。
唾石摘出を受けた場合
- 傷口の観察のため、退院後も定期的な受診が必要です。傷口が治ったら、通院は終了となります。
- 再度症状が出てきたら、必ず再び病院へいらしてください。
予防のためにできることは?
- 唾石が小さく自然と外に出てくる可能性が高いため、経過観察となった方は、唾液の産生を高めることが重要です。主治医からもらったお薬を正しく飲み、唾液腺マッサージをして、唾液の分泌を促してください。
- 唾石の再発を予防する確実な方法は残念ながら明らかになっていません。しかし、唾液腺マッサージやうがいの習慣は重要であると言われています。
治るの?治るとしたらどのくらいで治るの?
- 唾石が自然と外に出てくる、または手術で唾石を摘出し傷口が治れば、完治となります。
- しかし、症状が再発することも少なくないので、症状が再発した場合は前医にご相談ください。