禁煙:禁煙のメリットは?禁煙後に太るって本当?禁煙外来もあるの?
更新日:2020/11/11
- 日本呼吸器学会指導医、禁煙学会認定指導医の津田 徹と申します。
- このページに来ていただいた方は、本当に禁煙しなければいけないのか、禁煙できるのだろうか、との不安がおありかもしれません。
- タバコを止める決意をされた方に、役に立つ情報をまとめました。
- 私が日々の診察の中で、「特に気を付けてほしいこと」、「よく質問を受けること」、「本当に知ってほしい」ことについて記載をさせていただいています。
目次
まとめ
- 禁煙に取り組む気持ちになるまでには、どなたでも、ある程度の段階を経る必要があります。また、禁煙したいと思ってもすぐにタバコを止められないのは、タバコに含まれるニコチンが体の中で減ると、タバコ(ニコチン)を吸いたくてたまらなくなる、ニコチン依存症という病気のためです。
- ニコチン依存症は病気ですので、健康保険を使って治療ができます。禁煙外来に3か月間通っていただきます。
- 禁煙が1回で成功する方はほとんどいらっしゃいません。禁煙を継続させるために、一緒に禁煙に取り組んだり、励ましてくれる人をみつけたり、ご自身でも禁煙でよくなったことを意識してみてください。
どうしてもタバコをやめなければいけないのでしょうか?
- 禁煙をお医者さんなどに勧められても、すぐにタバコを止められる方はほとんどいらっしゃいません。禁煙を決意され、ご自身でタバコを止めるまでには、順を追って納得していく過程が必要です。
- ですから、ご自身の心の変化に応じて、対応していただくことが大切です。下記を参考にして、ご自分がどのステージにいるかを把握してみてください。
禁煙する気がない「無関心期」
- アドバイスを素直に受け入れられない時期です。
- 「自分がタバコを吸い続ける理由」を探しながら、タバコを吸い続けてしまいます。
禁煙を考えているが、 1ヵ月以内ではない「関心期」
- 禁煙したほうがよいということは理解していますが、「もう少ししたら禁煙しよう」と考えてしまいます。
1ヵ月以内に禁煙しようと考えている「準備期」
- 禁煙をする動機が高まり、タバコを吸っていることによる問題を解決していく未来の自分を考えるようになります。
ニコチン依存症とは何ですか? 病気なのですか?
- ニコチン依存症とは、常にニコチンがないとだめな体になってしまうことです。病気ですので、健康保険を使って治療を受けていただくことができます。
- タバコに含まれるニコチンという成分は、コカインやヘロインといった麻薬よりも依存性が高いことが知られています。
- 血液に溶けたニコチンは、脳のニコチン受容体にくっつくと、快楽物質のドーパミンを出します。タバコを吸って、ストレスがなくなったと感じるのはこのためです。
- しかし、ニコチンが少なくなってくると逆にイライラしてしまい、またタバコを吸ってしまいます。これがニコチン依存症です。
- タバコを吸うのを止めれば、ニコチンによる気分の上がり下がりがなくなります。タバコを我慢することによるストレスも感じにくくなります(図表1)。
図表1 ニコチン依存症のメカニズム