前立腺炎（急性・慢性）:原因は？症状は？検査や治療は？完治できるの？

• 感染制御・臨床検査専門医の高橋 聡と申します。
• このページに来ていただいたかたは、もしかすると「自分が前立腺炎になってしまった？」と思って不安を感じておられるかもしれません。
• いま不安を抱えている方や、まさにつらい症状を抱えている方に役に立つ情報をまとめました。
• 私が日々の診察の中で、「特に気を付けてほしいこと」、「よく質問を受けること」、「あまり知られていないけれど本当は説明したいこと」についてまとめました。

前立腺炎は、どんな病気？

• 前立腺炎とは、男性がなる病気で、何らかの原因で前立腺という臓器に炎症が起き、熱や、尿を出すときに痛みがあるなどの症状が出ます。
• 前立腺炎は大きく2つに分けられます。ばい菌が原因の急性前立腺炎と、原因がはっきりしない慢性前立腺炎があります。

前立腺炎と思ったら、どんなときに病院・クリニックへ受診したらよいの？医療機関の選び方は？

• 排尿時に痛みがある、急に熱が出た、急に会陰部が痛くなった場合は、泌尿器科を受診してください。
• 症状に波があり、会陰部や足のつけ根付近の痛みが長く続く場合も、泌尿器科を受診するようにしてください。

どんな症状がでるの？

• 熱
• 排尿時に痛みがある
• 尿が出づらい

お医者さんに行ったらどんな検査をするの？

• おなかの診察をします。
• 肛門から人差し指を入れて、前立腺を触ります。直腸を介して前立腺の大きさや硬さなどを確認します。
• 尿の検査をして、ばい菌が混じっていないか確認します。トイレで尿を出し切れているかなど排尿の状態も検査します。
• 血液検査をして、体の中で炎症が起こっているか確認します。

どんな治療があるの？

• ばい菌が原因とわかっている場合で、痛みなどががまんできる程度であれば、ばい菌に対する飲み薬を使います。痛みが強い、尿が出ないなどの症状があれば入院し、点滴でお薬を入れます。
• 痛みに対しては、痛み止めのお薬を使います。
• 尿が出ない時は、尿道に管を入れたり、おなかに穴をあけて膀胱から直接尿を出すようにしたりします。
• 尿をスムーズに出す、α交感神経遮断薬というお薬や、何度もトイレに行ってしまう症状を改善させる、抗コリン薬というお薬も使われます。
• 症状が軽い場合には、とくに治療しないという選択肢もあります。

お医者さんで治療を受けた後に注意をすることは？治療の副作用は？

• ばい菌に対するお薬を飲んでも症状が治らないことがあります。その場合には、お薬を変える必要があります。
• 尿が出にくい状態が続く場合にも、お薬による治療が必要です。
• 前立腺炎はくり返すことがあります。同じような症状が出た場合には、病院（泌尿器科）を受診してください。