低血糖:原因は?症状は?糖尿病がなくても起こるの?検査や治療は?
更新日:2020/11/11
- このページをご覧になられている方は、健康診断などで低血糖を指摘され、どのような影響があるのか調べたいと考えておられるかもしれません。
- 低血糖について、私が日々の診察の中で、「よく質問を受けること」、「本当に知ってほしいこと」について記載させていただいています。
目次
まとめ
- 低血糖とは、血液中の糖分が異常に少なくなって、症状が出現する現象をいいます。
- 胸がどきどきしたり、手がふるえて冷や汗が出たり、集中力が落ちたり意識がもうろうとしたりすることがあります。
- 低血糖症は、血糖値が低いこと、低血糖症状が存在すること、ぶどう糖の投与にてこの症状が消失することによって診断できます。
低血糖とは、どんな状態?
- 低血糖は、血液中の糖分(血糖値)が通常より異常に少ないことです。
- 血糖値の生理的範囲は個人差がありますが、一般的に男性は50mg/dl、女性は40mg/dlを下回ることはまずないといわれます。
- おおよそ、絶食で経過して正常な反応がおこるレベルとして60mg/dl台つまり70mg/dl未満を低血糖としています。
低血糖症とは?
- 低血糖症とは、血糖値の生理的レベルを下回って症状が出現する現象をいいます。
- 低血糖症は、血糖値が低いこと、低血糖症状が存在すること、ぶどう糖の投与にてこの症状が消失することによって診断できます(Wipple3徴といいます)。
- しかし、血糖値がそれほど低くなくても低血糖症状が出現する場合もあります。
どんな症状が出るの?
- 低血糖になると下記のような症状が出ます。
低血糖の症状
- 胸がドキドキする
- 手がふるえる
- 冷や汗が出る
- 頭痛
- 意識がもうろうとする
- おかしな行動
- 集中力の低下
- 眠気
- けいれん
- 目がかすむ
低血糖と思ったら、どんなときに病院・クリニックを受診したらよいの?
- 低血糖症状がでたら、とにもかくにも医療機関を受診してください。
低血糖の原因は?
- 低血糖の原因として下記のようなものが挙げられます。
食事をとらなかった、食事をとらずにインスリン注射をする
- 朝時間がなくて食べられなかったり、糖尿病の方で食事を食べていないのにインスリンの注射は打ったりすると、低血糖になります。
- 糖尿病の治療薬、インスリン注射が効きすぎている。
炭水化物の食べすぎ
- 炭水化物は血糖値を上げる一番の原因です。炭水化物の多い食事をとった時、体は血糖値を下げようといつもよりがんばります。すると、人によっては血糖値が下がりすぎてしまうことがあります。
インスリノーマ(インスリンを大量に作ってしまう腫瘍)
- 珍しいのであまり心配されなくて大丈夫ですが、まれにインスリンをつくる細胞が異常に増えていることがあります。
原因が思いつかない低血糖症状がでたら?
- 病院に定期的にかかっている方で、思い当たる原因はないが低血糖症状が出て、甘いものを一口食べたら治ったという場合は、次回の診察時に先生にお伝えください。
お医者さんに行ったら、どんな検査をするの?
- 血液検査で血糖値や、血液中の糖分を少なくするインスリンというホルモンの量を測ります。
- 必要ならぶどう糖負荷検査を行います。
- 空腹時でもインスリン値が高い場合はインスリノーマという病気を疑い検査していきます。
- インスリン注射歴がないのにもかかわらずインスリン抗体が高い時、インスリン自己免疫症候群を疑い検査していきます。
どんな治療があるの?
- まずはすぐに糖分を取っていただきます。
- 血糖値を下げるお薬や注射を使っている方は、お薬や注射の量が適切か確認し調整します。
- 食後2時間以内に低血糖症状が出る場合は、炭水化物をとりすぎないようにします。
- それでも低血糖を起こすなら分割食やα-GI薬の投与も考慮します。
自分でできる対処法
- キャンディーを持ち歩く
- 食事を抜かない
- 一日4回など細かく分けて食べる