結節性紅斑:症状は?原因となる病気は?検査や治療は?
更新日:2022/05/20
- 高知大学皮膚科専門医の佐野 栄紀と申します。
- このページに来ていただいたということは、もしかするとご自身やご家族などが結節性紅斑と診断され、不安を感じておられるのではないでしょうか。
- いま不安を抱えている方や、まさにつらい症状を抱えている方に役に立つ情報をまとめました。
- 私が日々の診察の中で、「特に気を付けてほしいこと」、「よく質問を受けること」、「あまり知られていないけれど本当は説明したいこと」についてまとめました。
目次
まとめ
- 結節性紅斑とは、皮膚にできた、さわると痛いしこりのある赤いできものです。
- 原因がとくに見つからない場合と、のどのばい菌や全身の炎症に伴ってできる場合があります。
結節性紅斑は、どんな病気?
- 結節性紅斑とは、皮膚にできた、さわると痛くてしこりがある赤いふくらみです。すねにできることが多いです。青あざのような場合や、いくつかできることもあります。体の中心部分にできることは少ないです。
- 直接の原因がふめいの場合(特発性といいます)と、のどに付くばい菌などの感染症が原因になったり、ベーチェット病をはじめとする全身性の病気に伴ってできる場合があります(続発性といいます)。
結節性紅斑になりやすいのはどんな人?原因は?
- 結節性紅斑は、あきらかな原因がふめいの場合と、次に示すような病気にともなって出てくる場合があります。
感染症
- かぜや扁桃炎(のどの奥が赤くはれます。)などの症状と一緒に出ることがあります。
- 熱などの症状が引いてから出ることもあります。
ベーチェット病
- 口内炎や陰部の潰瘍(かいよう;深くほれてしまうこと。)をくりかえし、視力低下など目の症状が出るのが特徴です。
- この病気では、ほぼ必ず結節性紅斑が出ます。
サルコイドーシス
- 心臓や肺、目、皮膚など全身に、炎症によって集まった細胞がかたまりをつくる病気です。
炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病など)
- 潰瘍性大腸炎は、炎症で大腸の壁が荒れたりえぐれてしまう病気です。クローン病も似ていますが、口から肛門まで消化管のあらゆる場所で炎症が起きうる病気です。
薬によるもの
- ピル(妊娠しないようにする飲み薬)や、ばい菌に対するお薬の副作用として、結節性紅斑ができることがあります。
その他
- がんや、自己免疫性疾患(自分の体を攻撃する物質がつくられてしまう病気)などでも見られます。
どんな症状がでるの?
- 赤いしこりができます。大きくても「くるみ」くらいまでの大きさで、水ぶくれや皮がめくれることはありません。
- 触れると痛いです。ひどい場合は、触らなくても痛みがあり、とくに立っていると痛みが強くなります。
- 治ってくると痛みは引きますが、しばらく茶色いしこりとして痕が残ることがあります。
お医者さんに行ったらどんな検査や治療をするの?
- まずはしんだんのために赤いところの皮膚を小さく切りとり、顕微鏡で確かめます。
- 血液検査や画像検査をして、何か病気が隠れていないか探します。検査の結果で、特定の病気がわかれば治療が変わります。
- あきらかな原因が見つからない場合は、自然に治ることが多いです。痛み止めやステロイドというお薬を使う場合もあります。
- いったん治っても再発することがあります。
- ほかに病気がある、または見つかった場合はその病気の治療をします。
お医者さんで治療を受けた後に注意をすることは?治療の副作用は?
- まずは安静に過ごし、歩き回ったり、激しい運動は避けてください。結節性紅斑はすねにできることが多いですが、立っていると悪くなることがあります。できるだけ足を上げて安静にしてください。寝る時に足を少し高くあげてみてください。
- ぬれタオルで冷やすと痛みが軽くなる場合もあります。
- 基礎疾患があればお医者さんの指示に従って、それを治療することに専念しましょう。