一酸化炭素中毒:どんな時に起こる?症状は?治療は?後遺症は残らない?
更新日:2020/11/11
- このページに来ていただいたかたは、もしかすると「自分が一酸化炭素中毒になってしまった?」と思って不安を感じておられるかもしれません。
- いま不安を抱えている方や、まさにつらい症状を抱えている方に役に立つ情報をまとめました。
- 私が日々の診察の中で、「特に気を付けてほしいこと」、「よく質問を受けること」、「あまり知られていないけれど本当は説明したいこと」についてまとめました。
目次
まとめ
- 一酸化炭素中毒は、一酸化炭素を吸い続け、何らかの症状が出た状態です。
- 頭痛、めまい、はき気などの症状が出ます。意識がなくなり、亡くなることもあります。
- 一酸化炭素は、ものが燃える時に発生します。
- まず換気、すぐ換気です。
一酸化炭素中毒は、どんな病気?
- ものが不完全燃焼すると一酸化炭素が発生します。一酸化炭素は味もにおいもしないので吸いこんでも気づきません。
- 体に一酸化炭素が入ると、酸素が全身にうまく運ばれず、いわゆる酸欠状態になります。
- 閉め切った室内で石油ストーブやガスストーブなどを使っていると一酸化炭素が部屋に充満することがあります。
- 体の中に一定量の一酸化炭素がたまると、頭痛、めまい、はき気がします。
- 急性中毒による死因の第1位となっています。
一酸化炭素中毒と思ったら、どんなときに病院・クリニックを受診したらよいの?
かかりつけ医への受診がおすすめな場合
- 閉め切った空間でストーブなど何かが燃えている時に気分が悪くなり、換気して症状がよくなった場合
救急車を呼ぶ場合
- 換気しても症状がよくならない
- 呼びかけても反応がない
一酸化炭素中毒になりやすいのはどんな人?原因は?
- 閉め切った空間にいてものが燃えた場合、誰にでも起こります。
- 排気ガスにも一酸化炭素は含まれています。豪雪期に車で動けなくなってしまって、排気ガスがエアコンの外気導入口から車内に充満し、一酸化炭素中毒になることがあります。
- 子どもは息をする回数が多いことなどから、一酸化炭素中毒になりやすいと考えられています。
どんな症状がでるの?
- 軽症では、頭痛、めまい、はき気、おう吐、眠気、ふらつきなどが出ます。
- 重症では、判断力の低下、落ち着きがなくなる、反応が悪い、けいれん、息苦しい、血圧が下がるといった症状が出ます。自分で動くことができなくなり、死にいたります。
- 子供の場合、腹痛、おう吐、下痢など胃腸炎のような症状が出ることが特徴です。
お医者さんに行ったらどんな検査をするの?
- 閉めきった空間で不完全燃焼をしていた状況があったことを確認します。
- 採血して、血液中の一酸化炭素の量を調べます。
- 同じような症状を起こす他の病気がないことを確認します。
どんな治療があるの?
- 新鮮な空気や、十分な濃度の酸素を吸います。
- 救急救命センターで集中治療が必要な場合もあります。
お医者さんで治療を受けた後に注意をすることは?治療の副作用は?
- いったん回復し、数日~数週間後に、一酸化炭素中毒の影響が再び出ることがあります。
- 意識が悪くなったり、人格が変わったりします。
- 帰宅後も注意深く様子を観察することが必要です。
予防のためにできることは?
- 室内でストーブやガス暖房器具などを使う場合は、ときどき窓をあけるなどして換気を行ってください。
- ガスボイラーも原因になることがあるので浴室の換気にも注意してください。
- 一酸化炭素警報器も市販されています。
治るの?治るとしたらどのくらいで治るの?
- 吸ってしまった一酸化炭素の量、時間によって症状はさまざまです。
- 新鮮な空気を深呼吸しているだけで治る場合もあれば、重症の場合、残念ながら亡くなってしまうこともあります。
追加の情報を手に入れるには?
もっと知りたい! 一酸化炭素中毒
一酸化炭素中毒
- たばこを吸っている人では、ふだんから血液中の一酸化炭素の濃度が高めです。
- 火事現場で起こることが多いです。