妊娠初期の出血:どんな場合に受診が必要なの？ 赤ちゃんは無事？
更新日：2020/11/11
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- 産婦人科専門医の炭竈 誠二と申します。
- このページに来ていただいた方は、「妊娠中に出血して大丈夫？」と不安に思っておられるかもしれません。
- いま不安を抱えている方に参考になる情報をまとめました。
- 私が日々の診察の中で、「特に気を付けてほしいこと」、「よく質問を受けること」、「あまり知られていないけれど本当は説明したいこと」についてまとめました。
目次
まとめ
- 流産以外の妊娠中の出血の原因として多いものに、「子宮頚管ポリープ」と「子宮腟部びらん」があります。
- 重大な病気の可能性として、「子宮頚癌」と「子宮外妊娠」ではないことを検査しておくことが大切です。
- 婦人科以外の病気が原因のこともあります。
妊娠初期に出血したら、どんな病気のことが考えられる？
- 妊娠初期の出血の原因として主なものは流産ですが、ほかに以下のようなものがあります。
流産以外の、妊娠初期の出血の原因
- 子宮頚管ポリープ：子宮の入り口にできるイボのように隆起した細胞のかたまり（ポリープといいます）です。これが性交時の刺激などによって、あるいは自然に出血することがあります。
- 子宮腟部びらん：子宮の入り口がただれている、正常だがただれたようになっている状態で、出血することがあります。
- 腟【ちつ】の炎症によって「帯下【たいげ】（おりもの）」が増えると、出血と区別しにくいことがあります。
- 子宮からの出血と思っていたところ、膀胱や肛門からの出血（膀胱炎、痔など）であることがあります。
- 重大な病気の可能性として癌や子宮外妊娠（異所性妊娠）があります。
- 癌ではないことを確認するために、子宮癌検診を受けてください。
- 子宮内に妊娠が確認されていない場合は、担当の医師の指示にしたがって受診してください。
妊娠初期に出血がみられたら、どんなときに病院・クリニックを受診したらよいの？ 医療機関の選び方は？
- 出血がみられたら、あわてずまずは安静にしてください。
- かかりつけの産婦人科が診療時間内のときは受診することをおすすめします。
- かかりつけの産婦人科が診療時間外の場合は、電話で症状を伝えて相談してください。
- 膀胱・尿道・肛門からの出血が疑われた場合は、泌尿器科や外科への受診が必要となることがあります。
救急車を呼んだほうがいい場合
- 大量に出血して意識が低下しているときは、救急車を呼んで医療機関に受診してください。
ほかにはどんな症状がでるの？
- 妊娠初期に出血が起こったときは、次のような症状も一緒に現れることがあります。
気を付けていただきたい症状
- お腹の痛み
- 腟炎など感染が合併していると帯下に臭いがでる
お医者さんに行ったらどんな検査をするの？
- 内診：腟鏡という医療器具を使って、どこから出血しているか確認します。
- 超音波検査：子宮内に妊娠しているか、赤ちゃんの心臓が動いているか、子宮内に出血していないかを検査します。
どんな治療があるの？
子宮頚管ポリープの場合
- ポリープを切り取る、もしくは経過観察で様子を見る場合もあります。
- 細菌感染が疑われるときは抗菌薬が処方されます。
子宮腟部びらんの場合
- 出血は少量で自然に止まることが期待できますので、治療は必要ありません。
腟炎と診断された場合
- 腟を洗浄して清潔を保ちます。
- 炎症を起こしている細菌などを殺すため、徐々に溶けて効果を現す錠剤を腟に入れることもあります。
お医者さんで治療を受けた後に注意をすることは？ 治療の副作用は？
- 出血が止まれば通常の生活に戻れます。
- 無理をしないように気をつけ、再度出血がないか注意してみるようにしてください。
予防のためにできることは？
- 妊娠初期の出血は特別な原因がなく起こることが多いです。
- 妊娠中は規則正しい生活を心がけ、過度の運動、不必要な外出などは控えることをおすすめします。
追加の情報を手に入れるには？
- 日本産科婦人科学会の下記のページで、「不正出血」についてみることができます。
- http://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=7
- 愛知県産婦人科医会の下記のページ「よい赤ちゃんを産むために」も参照してみてください。
- http://www.aichiog.com/html/yoiakachan.html
