無月経:どんな症状? 原因やリスクは? 自分で対処する方法は? どんなときに医療機関を受診すればいいの?
更新日:2020/11/11
- とつぜん月経が遅れたり、何カ月も月経が来ないと、心配になりますよね。「病院に行ったほうが良いかな?」と不安になるかもしれません。
- そこでこのページには、無月経の一般的な原因や、ご自身での適切な対処方法、医療機関を受診する際の目安などについて役に立つ情報をまとめました。
- 私が日々の診察の中で、「特に気を付けてほしいこと」、「よく質問を受けること」を記載させて頂きました。
まとめ
- 無月経には、原発性無月経と続発性無月経があり、原因が異なります。
- 続発性無月経は、精神的ストレス、ダイエットによる体重減少、過度の運動によるからだへの負担、環境の変化などで脳から分泌されて卵巣を刺激するホルモンの量が不安定になって起こります。
- 原発性無月経は、生殖器の奇形や染色体の異常が考えられます。
- 無月経の疑いがある方は、妊娠ではないことを確認する必要があります。
無月経って何?
- 無月経には、初めての月経(初経・初潮)が思春期になってもこない原発性無月経と、これまで周期的にきていた月経が突然こなくなる続発性無月経があります。
- 原発性無月経と続発性無月経では原因が異なるため、治療も大きく異なります。
原発性無月経
- 初めての月経を初経(一般に初潮といいます)といい、その平均年齢は12歳ですが、18歳になっても初経のない状態を原発性無月経といいます。
続発性無月経
- 初経以降周期的にあった月経が3か月以上こない状態を続発性無月経といいます。
- なお、妊娠中、産褥【さんじょく】期(出産後の回復期)、閉経後などで月経がこなくなるのは異常ではないので、続発性無月経とはいいません。
どんな原因があるの?
- 原発性無月経は無月経全体の0.5%以下とされ、無月経のほとんどは続発性無月経です。
続発性無月経
- 最も多い原因は、視床下部【ししょうかぶ】無月経といわれるものです。卵巣を刺激するホルモンの量が不安定になるためにおこります。
- このホルモンの分泌量の変化は、精神的ストレス、ダイエットによる体重減少、過度の運動によるからだへの負担、環境の変化などが誘因になります。
- これらの誘因が取り除かれれば再び周期的な月経に戻る可能性があります。
- 甲状腺ホルモンやプロラクチンと呼ばれるホルモンの分泌異常によっても、続発性無月経になることがあります。
原発性無月経
- 原因には、生殖器の奇形や遺伝にかかわる染色体異常の可能性があります。
- 診断には、超音波画像診断や特殊なホルモン検査が行われ、場合によっては染色体検査が必要になることもあります。
お医者さんではどのような治療が行われるの?
続発性無月経
- 甲状腺ホルモンやプロラクチンの分泌に異常があるときは、お薬で治療します。
- これらのホルモンが正常に分泌されるようになれば、月経は再び自然にくるようになります。
- 視床下部無月経では、考えられる誘因を除去して数か月間様子をみます。
- それでも月経がこなければ、周期的に女性ホルモンを内服することで月経をこさせます。
- 排卵誘発剤は、現在妊娠する希望がなければ原則的には使いません。
原発性無月経
- 治療は、長期的なホルモン療法、外科治療、場合によってカウンセリングを受けるなど、原因によってさまざまです。
- 必要な検査や治療の詳細は、診療の進み具合に応じて医師が判断します。
そのほか注意すべきことは何?
- 性交渉があり妊娠の可能性を否定できない場合は、尿検査で月経遅延の原因が妊娠でないことを確認する必要があります。