インフルエンザワクチン:効果や副作用は?打つべき時期は?費用は?
更新日:2020/11/11
- 杏林大学呼吸器内科の皿谷 健と申します。
- このページに来ていただいた方は、インフルエンザワクチンについての疑問があり、予防接種をうけるかどうかまよっていらっしゃるかもしれません。
- インフルエンザワクチンをうけていただくのにあたり、どのようなものであるのかについて役に立つ情報をまとめました。
- 私が日々の診察の中で、「特に気を付けてほしいこと」、「よく質問を受けること」、「本当に知ってほしい」ことについて記載をさせていただいています。
目次
まとめ
インフルエンザワクチンとは、鶏の卵を使ってインフルエンザウイルスを培養し、ウイルスとしての感染能力をなくしたものです。 注射することによって、インフルエンザウイルスへの免疫アップを狙っているのです。 他の人へうつすと重症化させてしまう可能性のある人(医療従事者や高齢者介護に従事する人、5歳未満のお子さんに接する人)は、ワクチン接種をご検討ください。
そもそもワクチンって何?どうして注射しなきゃいけないの?
- インフルエンザワクチンとは、鶏の卵を使ってインフルエンザウイルスを培養し、ウイルスとしての感染能力をなくしたものです。
- 注射することによって、インフルエンザウイルスへの免疫アップを狙っているのです。
- ワクチンを接種した人の約半分で、インフルエンザの発症やインフルエンザによる入院を予防することがわかっています。また、インフルエンザによる死亡を減らすことも確認されています。
- 多くの人がワクチンを接種することで、まだワクチンを接種していない人もインフルエンザにかかりにくくなります。
- 特に、他の人へうつすと重症化させてしまう可能性のある人(医療従事者や高齢者介護に従事する人、5歳未満のお子さんに接する人)は、ワクチン接種をご検討ください。
インフルエンザワクチンはいつ受けるのが効果的?
- インフルエンザワクチンの予防効果は接種後2週間~6ヶ月程度で、一番免疫が活発になるのは4~6週後となります。
- インフルエンザの流行は12月末から翌年の3月頃までですので,12月中旬くらいまでに接種を受けることが効果的です。
インフルエンザワクチンは何回受けると良い?
- 生後6ヶ月以上の全国民がインフルエンザワクチンの対象者です。
- ワクチン接種は皮下注射で,回数は下記通りです.
ワクチン接種の回数
- 13歳未満:2回
- 13歳以上:1回
- 健常成人では2回接種でも効果は変わらないとされていますので1回接種で充分です。
- 日本では65歳以上、または60歳~64歳で心臓、腎臓もしくは呼吸器の機能に障害がある場合や、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫の機能に障害がある人は重症化するリスクが高いため、定期接種の対象者になっています。皮下注射で1回接種となります。
コラム:インフルエンザワクチンの用法用量
用法用量は以下のようになります。 - 6ヶ月以上、3歳未満
:1回0.25mL, 2回皮下注射 - 3歳以上、13歳未満
:1回0.5mL, 2回皮下注射 - 13歳以上
:1回0.5mL, 1回皮下注射
インフルエンザワクチンの副作用ってよく聞くけど何が起こるの?
- インフルエンザの副作用としては下記のようなものが挙げられます.
インフルエンザの副作用
- 接種部位の腫れ
- 発熱
- 全身倦怠感
- 頭痛
- 筋肉痛
- 症状は数日で消失します。
- 症状が似た重篤なものはギランバレー症候群という手や足に力が入りにくくなる病態がありますが頻度は不明です。
インフルエンザワクチンを受けたあと、お風呂に入っても良い?運動やお酒はOK?
- 発熱していない限り、お風呂は問題ありません。
- 運動も飲酒も問題ありませんが、激しい運動や過度の飲酒は避けましょう。
インフルエンザワクチンを受けてはいけない人
- インフルエンザワクチンを受けてはいけないのは,下記のような場合です。
インフルエンザワクチンを受けてはいけない人
- 発熱
- 重篤な急性疾患
- 過去にインフルエンザワクチンでアナフィラキシーを起こしたことがある人
- アナフィラキシーとは気管のむくみがでたり、じんましんが出て重篤な状態になる一種のアレルギーのことを言います。
- 卵アレルギーによりアナフィラキシーの既往がある方は打たない方が良いですが、多くの場合はそうではないため接種可能です。
- 担当の先生とよく相談して決めましょう。