2型糖尿病患者への生活指導:食事や運動は?その他日常生活の注意点は?
更新日:2020/11/11
- 糖尿病専門医の田村 好史と申します。
- このページに来ていただいた方は、糖尿病の治療や予防についていろいろと知りたい方が多いかもしれません。
- 糖尿病治療での食事や運動療法について役に立つ情報をまとめました。
- 私が日々の診察の中で、「特に気を付けてほしいこと」、「よく質問を受けること」、「本当に知ってほしい」ことについて記載をさせていただいています。
目次
まとめ
- 糖尿病治療の基本は、食事と運動の改善です。
- バランスの取れた食事を心がけ、炭水化物の食べすぎに注意します。
- 運動については、まずは1日の歩数を測ることから始めてみてください。
糖尿病と生活習慣の関係は?
- 2型糖尿病は生活習慣がもとになって起きる、生活習慣病のひとつです。食べすぎや偏った食事、運動不足が原因のひとつになっています。
糖尿病になってしまったけれど、どんな食事を心がければよいの?
- 三大栄養素である炭水化物、たんぱく質、脂質をバランスよく食べることを心がけてください。
- 血糖値を最も増加させるのは、主食にもなる炭水化物です。お米、パン、麺類、いも、果物、お菓子、せんべい、ジュースなど、いろんなものに含まれます。知らない間に食べすぎてしまっているかもしれません。意識して量を減らしていきます。
- 肉や魚をしっかりととることで、筋肉が維持されやすくなります。ご高齢の方ではとくに、足腰が弱らないようにたんぱく質をとることが大切です。
糖尿病になってしまったけれど、アルコールは飲んでいいの?
- 糖尿病だと一生飲めないというわけではありません。
- お薬などで血糖コントロールが悪い時には、禁酒する必要があります。
- 1回のアルコール量は、ビールだと500ml缶1本、日本酒だと1合未満が目安です。
糖尿病の人は、どんな運動をしたらいい?
- やった方がいいとわかっていてもなかなか続けられないのが、運動です。でも、普段の生活の中で動くことを意識するだけでも血糖値を下げる効果があることがわかってきました。
- 例えば、通勤時の歩行、家事など、1日の中で動くチャンスはたくさんあります。
実際、どれくらい運動すればいいの?
- 忙しくてなかなか運動する時間がとれない!という方は、まずは1日何歩歩いているかカウントしてみましょう。ほとんどの携帯電話やスマートフォンには歩数計がついています。
- まずは現状の歩数をみて、今よりも+2000歩(時間で言うと+20分くらいです。)、最終的には1日8000歩以上を目指しましょう!
- 歩く場合は、いつもより少しだけ早足で、誰かと話したりできる範囲内の強度で行うと、ちょうどよい強度になります。
- 無理せず長く続けられるくらいであることが大事です。かかりつけ医と相談してから始めてください。
生活習慣の改善っていうけど、本当に糖尿病がよくなるの?
- 2型糖尿病は生活習慣の乱れが原因です。逆に言うと、生活習慣を正すことによって改善が期待でき、使っていた糖尿病のお薬がいらなくなった!ということもあります。
- どのくらいよくなるか、お薬を飲み続けなければならないかどうかは、個人差があります。ただ、どのような治療をしていても食事・運動に注意をしないと、最初に行っていた治療の効果が出にくくなることが多く、どんどん薬を追加せざるを得なくなります。食事と運動に気をつけることはとても重要なことです。