霰粒腫【さんりゅうしゅ】:どんな病気?しこりは自然に治るの?治療法は?跡は残らない?
更新日:2020/11/11
- このページに来ていただいた方は、もしかすると「自分が霰粒腫になってしまった?」と思って不安を感じておられるかもしれません。
- いま不安を抱えている方や、まさにつらい症状を抱えている方に役に立つ情報をまとめました。
- 私が日々の診察の中で、「特に気を付けてほしいこと」、「よく質問を受けること」、「あまり知られていないけれど本当は説明したいこと」についてまとめました。
目次
まとめ
- 霰粒腫【さんりゅうしゅ】はまぶたにしこりができる病気で、人にうつる病気ではありません。
- しこりが小さい場合は自然に吸収されますが、しこりが大きい、多数ある場合は症状が長期間続きます。早期解決には手術による摘出が必要です。
- 霰粒腫が起こりやすい方はアイメイクを控える、清潔に保つ、温あん法、眼瞼マッサージを行いましょう。
霰粒腫は、どんな病気?
- 霰粒腫は、まぶたにある脂腺(あぶらが分泌される部位)の出口がつまり、炎症が治らない結果、しこりができる病気です。
- まぶたにできるしこりは、米粒~大豆ぐらいの大きさのコロコロとしたやや硬いものです。細菌感染によるものではないので、痛みや赤みがない場合が多いです。
霰粒腫と思ったら、どんなときに病院・クリニックを受診したらよいの?
- まぶたにできたしこりに加えて、下記のような症状が見られた場合、病院に行きましょう。
受診をおすすめする症状
- しこりに加えて赤み、痛み、腫れがある
- しこりが次第に大きくなる、多発している
- しこりによって視界不良がある
- 1ヶ月以上改善しないしこりがある(高齢者)
受診前によくなるために自分でできることは?
- まぶたのしこりを、むやみにいじらないようにしましょう。
病院へ行く前に自分でできること
- 違和感があっても目をこすらない、さわらない
- しこりを自分でつぶさない、やぶかない
- コンタクトレンズの使用を中止する
- アイメイクをしない
霰粒腫になりやすいのはどんな人?原因は?
- 以下のような方は霰粒腫になりやすいタイプといえます。
霰粒腫の原因
- まぶたの出口がつまりやすい方
- 過剰なアイメイクを行う方
- メイク落としが不十分である方
- 日常的に目のまわりが汚れやすい方
- 子供
どんな症状がでるの?
- 細菌感染ではないので、痛みや赤みは症状としてあまり見られません。
霰粒腫の症状
- しこりが大きくなる
- しこりの数が増えてくる
- 擦っていくうちに赤く腫れる
お医者さんに行ったらどんな検査をするの?
- まぶたを触ってしこりのある位置や大きさを確認します。
- 細隙灯顕微鏡を使って、まぶたの内側まで観察します。
- 視力検査、眼圧検査も行います。
どんな治療があるの?
- しこりが小さければ、治療せずに、数週間で自然に消失します。特に日常生活に問題がなければ経過観察します。
- しこりが大きい場合の治療法には手術と薬物治療があります。手術では子供は全身麻酔、大人は局所麻酔で行います。まぶたの皮膚を切ってしこりを取り、縫う方法です。
- 薬物治療の場合は、ステロイドの目薬や塗り薬を使いしこりを縮小させます。しかし、しこりが消失するまでは、数ヶ月かかります。
お医者さんで治療を受けた後に注意をすることは?治療の副作用は?
- 手術治療後は切った部分が感染しないように清潔に保ち、手術後に処方された薬をきちんと飲みましょう。
- 薬物治療のステロイドの目薬は、副作用として眼圧上昇があります。眼科で経過観察してもらいましょう。
予防のためにできることは?
- まぶたの脂腺がつまらないようにまぶたを良く洗う、マッサージ、温あん法を行いましょう。
- アイメイクの後はメイク落としを使った洗顔、まぶたを良く洗いましょう。その際擦りすぎには注意しましょう。
- 温あん法とは、蒸しタオルをまぶたにあてて温めることです。
治るの?治るとしたらどのくらいで治るの?
- しこりが小さければ特に治療しなくても数週間で自然に吸収されます。 手術治療は即効性があり速やかに治癒に向かう予後良好な病気です。
- しかし霰粒腫が多発すると1回の手術では治らない場合もあります。