息切れ：どんな症状？原因やリスクは？自分で対処する方法は？どんなときに医療機関を受診すればいいの？
更新日：2020/11/11
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- 北里大学医学部の循環器内科の庭野慎一と申します。
- とつぜん息切れしたり、息切れが何回も続いたりすると、心配になりますよね。何か悪い原因で起こっているのではないか？と心配されたり、「病院に行ったほうが良いかな？」と不安になられたりするかもしれません。
- そこでこのページでは息切れの一般的な原因や、ご自身での適切な対処方法、医療機関を受診する際の目安などについて役に立つ情報をまとめました。
- 私が日々の診察の中で、「特に気を付けてほしいこと」、「よく質問を受けること」、「本当に知ってほしいこと」について記載をさせていただいています。
まとめ
- 息切れとは、呼吸がしにくい、息が吸えない、といった自覚症状です。
- 主に呼吸器（肺）や循環器（心臓）の病気によって引き起こされますが、単にストレスによって生ずることもあります。
- 様子を見ていても問題ないものから、重大な病気の症状である場合もあります。
- 症状が強い場合には病院へ相談する必要があります。
息切れは、どんな病気？
- 息切れが起こる病気としては下記のようなものがあげられます。
- 最も頻度が高いのは肺の病気です。次いで多いのは心臓の病気となります。
息切れが起こる病気
- 肺気腫・喘息：細気管支という空気の通り道が狭くなって起こる呼吸困難です。
- 気胸：肺や胸壁の一部から肺の周辺へ空気が入り込み、肺を縮ませてしまうことで起こります。
- 肺塞栓：肺の血管に血の塊（血栓）が詰まる病気で呼吸困難になります。
- 心不全：心臓のポンプの機能が低下すると心不全が起こり、肺に水がたまりやすくなり呼吸困難になります。
- 過呼吸：特別な病気がなくても、ハアハアしすぎて血液の二酸化炭素が低くなりすぎると過呼吸という呼吸困難状態になります。過度の緊張だけでも呼吸困難を自覚することがあり、心因性呼吸困難と言います。
息切れすると思ったら、どんなときに病院・クリニックを受診したらよいの？医療機関の選び方は？
- 運動中にだけ息切れが出るのであれば、緊急性は少ないです。下記を目安にして医療機関の受診を検討してください。
医療機関の受診がおすすめな場合
- 家の中の動きで息切れが出る場合
- 同年齢の方と一緒に行動していて息切れが出る場合
救急車を呼ぶのがおすすめな場合
- 急に息切れが出現または増悪した場合
- 息切れが体を休めても良くならない場合
- 息切れの他に痛み、冷汗などの症状を伴う場合
- もともと慢性的に息切れを感じている方でも、急に症状が強くなったのであれば何かの悪化要因が加わった可能性があります。
- 気胸や肺塞栓が生じた場合も急激な症状の変化が起こります。心臓が原因の場合、仰向けに寝ると苦しく、起き上がると楽になるという特徴的な呼吸困難（起座呼吸）が出現します。
- 早急な受診が必要です。特に症状が強い場合は救急車を呼んでください。
受診前によくなるために自分でできることは？
- 肺や心臓の病気が背景にあるのであれば、息切れを我慢して運動をしても病気の状態を悪くしてしまう可能性があります。まず病院でしっかりとした診断を受けてください。
- 病気を治療した上であれば軽い運動トレーニングが息切れを出にくくします。
- 軽い運動とは、軽く汗ばむ程度の運動で、歩行でもジョギングでも構いません。30~60分継続することが重要です。
- 仕事や買い物でその程度の運動をしている方は、そのまま継続すると良いです。
- 息切れのある方は禁煙を強くお勧めします。
どんな症状がでるの？
- 息切れとは、呼吸がしにくい、息が吸えない、といった自覚症状をさしており、特定の病名ではありません。
- 主に呼吸器(肺)や循環器(心臓)の病気によって引き起こされますが、単にストレスによって生ずることもあります。
- 様子を見ていても問題ないものから、重大な病気の症状である場合もありますので、症状が強い場合には病院へ相談する必要があります。
