陥入爪:原因は? 症状は? セルフケアは可能? どんな治療法があるの?
更新日:2020/11/11
- このページに来ていただいた方は、もしかすると「自分が陥入爪になってしまった?」と思って不安を感じておられるかもしれません。
- いま不安を抱えている方や、まさにつらい症状を抱えている方に役に立つ情報をまとめました。
- 日々の診察の中で、「特に気を付けてほしいこと」、「よく質問を受けること」、「あまり知られていないけれど本当は説明したいこと」についてまとめました。
目次
まとめ
- 陥入爪とは、爪の横側のふちが周囲の皮膚や爪を支える組織(肉)にくいこむことで引き起こされる皮膚病です。
- 診断には、皮膚科医が目で見る視診を行います。
- 陥入爪は、爪が不適切に短い人、巻き爪のある人、肥満のなどがなりやすいです。
- 治療は、テーピング法や爪の切り方の指導などのほか、コットン法のようにからだへの影響の少ない方法、外科的切除術に影響の大きい方法などさまざまな方法があります。
陥入爪とはどんな病気?
- 陥入爪【かんにゅうそう】とは、爪の横側のふちが周囲の皮膚や爪を支える組織(肉)にくいこみ、刺激・傷害して引き起こされる皮膚病です。
- 足の親指によく起こります。
- はじめは、くいこんだ部分の軽い皮膚の赤みや痛みが症状ですが、長く続くと赤み・痛みが悪化し腫【は】れを引き起こします。
- 肉芽【にくげ/にくが】という赤く盛り上がったかたまりをつくることがあり、滲出液【しんしゅつえき】がでます。
- 細菌による皮膚の感染が同時に起こることもあります。
陥入爪と思ったら、どんなときに病院へ受診したらよいの?
- 次のようなときはかかりつけ医を受診してください。
かかりつけ医の受診をおすすめする場合
- 爪の痛みや腫れが強いとき
- 赤く盛り上がったかたまり(肉芽)ができているとき
- 陥入爪の原因として爪の先の部分が内側に巻く巻き爪【まきづめ】があるとき
受診前によくなるために自分でできることは?
- テープにより爪の周囲の皮膚を引っ張ることで、爪のくいこみを弱めることができます(テーピング法といいます)。
陥入爪になりやすいのはどんな人?
- 陥入爪になりやすい人を次にまとめました。
陥入爪になりやすい人
- 爪が不適切に短い人
- 巻き爪のある人
- 肥満の人
お医者さんに行ったらどんな検査をするの?
- 皮膚科医が目で見て判断する視診を行います。
どんな治療があるの?
- 治療は、テーピング法や爪の切り方の指導などのほか、さまざまな方法があります。
- まず推奨されるのはからだへの影響が少ない治療で、次のようなものがあります。
陥入爪の治療_からだへの負担が少ない方法
- コットン法:爪の両側先端の下にコットン綿花を挿入する
- ガター法:爪の横側の縁にプラスチックチューブをはめる
- アクリル人工爪療法:アクリルでつくった人工の爪により爪が欠損した部分を補う
- くいこんでいる爪の一部を切る:根本的解決にならず原則的には推奨されないが、医師の判断により症状やわらげる応急処置として行われることがある
- 重症の場合は、フェノール法や外科的切除などの治療を行います。これはからだへの影響が比較的大きく、将来、爪の変形をきたす可能性もあるので、主治医の先生とよく相談して治療法を選択してください。
陥入爪の治療_からだへの負担が比較的大きい方法
- フェノール法:くいこんでいる爪を部分的に抜き取り、フェノールという薬品で処理しその部分に爪が生えてこないようにする
- 外科的切除:くいこんでいる爪全体を切り取り、皮膚と爪のあった部分を縫い合わせる
- 巻き爪が併存している場合は、元の形に戻ろうとする力がきわめて強い超弾性ワイヤーによって爪の弯曲【わんきょく】を矯正する治療などがあります。
- 肉芽組織ができているときは、ステロイド外用薬を塗ることもあります。
- 感染症の起こったときは、必要に応じて抗生剤を飲んだり、抗菌作用のある外用薬を使用します。
予防のためにできることは?
- 陥入爪を予防するためには、次のような方法があります。
陥入爪を予防するためにできること
- テーピング法で爪の周囲の皮膚を引っ張り、爪がくいこむのを抑える
- くいこみを助長するので爪を短く切りすぎない
- 爪の角が丸くならないよう四角く切る