手足口病：症状は？口内炎ができるの？うつるの？治療は？保育園に行っていいの？

更新日：2020/11/11

著者小川 英輝1、宮入 烈2 | １：あいち小児保健医療総合センター総合診療科、２：国立成育医療研究センター生体防御系内科部感染症科

監修大曲 貴夫 | 国立国際医療研究センター 国際感染症センター長

  • 小児科専門医の小川 英輝と申します。
  • このページに来ていただいたかたは、もしかすると「お子さんが手足口病になってしまった？」と思って不安を感じておられるかもしれません。
  • いま不安を抱えている方や、まさにつらい症状を抱えている方に役に立つ情報をまとめました。
  • 私が日々の診察の中で、「特に気を付けてほしいこと」、「よく質問を受けること」、「あまり知られていないけれど本当は説明したいこと」についてまとめました。
まとめ
  • 手足口病とは、手、足、口に赤いぶつぶつができるウイルスの感染症で、夏に流行します。
  • 口の中や舌、手のひらや足の裏、ひじ、ひざ、おしりに同時に1～2mm大の赤みのある盛り上がったぶつぶつができて、
  • 熱冷ましをつかうこともありますが、通常3-4日で自然によくなります。
  • 極めてまれですが、手足口病の原因のウイルスが髄液や心臓の筋肉に移動して、髄膜炎や心筋炎を合併することがあります。

手足口病は、どんな病気？

  • 手足口病とは、熱が出て、口の中・手のひら・足の裏などに、1～2mm大の赤く盛り上がったぶつぶつ（丘疹【きゅうしん】といいます）ができる病気です。
  • ウイルスによる感染症で、手足口病は夏に流行します。また、3-4年周期で大流行することがあります。
  • エンテロウイルス、コクサッキーウイルスやエコーウイルスというウイルスが原因とわかっています。

手足口病と思ったら、どんなときに病院・クリニックを受診したらよいの？医療機関の選び方は？

  • 手足口病に限らず、小さなお子さんで次のような場合は医療機関への受診を検討してください。

急いで受診していただきたい場合

  • 顔色が悪い、むくみが強い、極端に元気がない、吐いてしまうといった症状がある場合。心不全の可能性があります。

医療機関への受診がおすすめな場合

  • 生後3か月未満のお子さんで、熱が出ている場合。ウイルス性髄膜炎などの可能性があります。
  • お子さんの様子が明らかに普段と違う場合。

手足口病になりやすいのはどんな人？原因は？

  • 手足口病は4歳ぐらいまでのお子さんに多い感染症で、とくに2歳以下が多いとされています。
  • ただし、学校で流行することもありますし、大人でも発症する可能性があります。

手足口病の原因

  • 手足口病の原因は、エンテロウイルス、コクサッキーウイルス、エコーウイルスというウイルスです。
  • 手足口病のウイルスにはたくさんの種類があるので、別のウイルスが原因で、何回も手足口病にかかる可能性があります。

どんな症状がでるの？

  • 手足口病になると、熱がでて、特徴的な赤いぶつぶつが手・足・口の中にできます。下記に詳しく説明します。

熱が出る

  • 熱はあまり高熱ではなく、38℃に満たないこともあります。

赤いぶつぶつ（発疹）が出る

  • 口の中や舌、手のひらや足の裏、ひじ、ひざ、おしりなどに発疹ができます。体重がかかったり、擦れたりするところに発疹ができやすいです。
  • 発疹は、1～2mm大の赤みのある盛り上がったぶつぶつが多いです。水ぼうそうの発疹と少し似ている場合もあります。
  • 発疹は3-7日間で消えてなくなります。水ぼうそうと違うのは、発疹がかさぶたにならないこと、頭皮の中にはほとんど発疹ができないことです。

お医者さんに行ったらどんな検査をするの？

  • 診断のための検査は行わないことが多いです。赤いぶつぶつの見た目や経過、流行状況などを見て、医師の経験に基づいて手足口病と診断します。
  • 髄膜炎や心筋炎を疑う症状がある場合は、血液検査や髄液検査を行って、ウイルスがいないか調べることがあります。

どんな治療があるの？

  • 残念ながら、手足口病のウイルスをやっつけるお薬はありません。ですが、ふつうは自然に治ってしまいます。
  • 熱がつらい場合は、熱冷まし（解熱剤）を使うことがあります。

お医者さんで治療を受けた後に注意をすることは？治療の副作用は？

  • 手足口病は自然に治ってしまうのが一般的で、後遺症が残ることもないため、特に注意することはありません。
  • 手足口病が治った1〜2か月後に、爪が割れたり剥がれたりすることがありますが、数か月間で治ります。
  • 極めてまれですが、髄膜炎や心筋炎などの重症な感染症を合併することがあります。とくに生後3か月くらいまでの赤ちゃんは経過に注意していただき、いつもと様子が違うときは病院にご相談ください。

うつるの？自分の予防のためにできることは？

  • 手足口病のウイルスは人から人にうつります。
  • ワクチン接種などの有効な予防法はありません。

手を洗ってください

  • おもちゃ、ドアノブ、手すりなどから、手を介してウイルスが広がることがあります。手足口病が流行する時期には特によく手を洗ってください。
  • 手足口病に感染しているお子さんの糞便から、数週間にわたってウイルスが排泄され続けます。おむつ交換やトイレの後には、かならず手を洗うように心がけてください。

治るの？治るとしたらどのくらいで治るの？

  • 手足口病の熱は3-4日ぐらい、発疹は3-7日ぐらいで自然に治ります。
  • 極めてまれですが、髄膜炎や心筋炎などの重症な感染症を合併することがあります。念のため、経過に注意してください。

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