血圧測定:正しい測定方法は?いつ測定するの?血圧の正常値は?
更新日:2020/11/11
- 循環器専門医の赤﨑雄一、大石充と申します。
- このページに来ていただいた方は、高血圧の疑いまたはその心配があり、どのように血圧を測定したら良いのかについて知りたいと思われているかもしれません。
- 高血圧の診断に必要な血圧測定について理解する上で役に立つ情報をまとめました。
- 私が日々の診察の中で、「特に気を付けてほしいこと」、「よく質問を受けること」についてまとめました。
目次
まとめ
- 血圧測定は高血圧の診断を行うために必要な検査です。
- 血圧は様々な原因で変動し、一日の中で上がったり下がったりしています。
- 高血圧は脳・心臓・腎臓などの様々な病気の原因になるので、血圧を正確に評価することが重要です。
- 上腕で測定する自動血圧計を用いて測定します。
- 血圧測定は朝と夕の2回行います。
なぜ家庭で血圧を測る必要があるのですか?
- 一日の中で血圧は様々な要因で変動しています。
- 脳梗塞や心筋梗塞の発症は朝が最も多いことがわかっています。
- 家庭で血圧を繰り返して測ることは、より正確に血圧を把握することができるので、隠れた高血圧を発見することができます。
- また降圧薬治療による薬の効き具合を評価することもできます。
- 長期間に渡り測定することで、季節変動などを評価することができます。
血圧の正常値は、どれぐらいですか?
- 病院での血圧は140/90mmHg以上を、家庭での血圧は135/85mmHg以上を高血圧の基準値としています。
- 病院で高く家庭で正常の人を白衣高血圧、病院で正常で家庭で高い人を仮面高血圧と言います。
- 仮面高血圧の人は、正常の人に比較して心血管病の危険性が高いと言われているので、家庭で血圧測定することが重要です。
どんな血圧計で測定したら良いの?
- 診察室では水銀血圧計とアネロイド血圧計が用いられてきました。
- ただし水銀は環境汚染の問題から、アネロイド血圧計も定期的な管理が必要なことから避けられる傾向にあり、近年では、自動血圧計による測定が増えています。
- 家庭では自動血圧計を使いますが、上腕式が推奨されています。カフについては、極端に太い腕、細い腕では、それぞれ大型または小型カフの使用が望ましいです。
いつ測定するの?
- 通常、血圧は朝と夕の2回測定します。
- 朝は起床後1時間以内で朝食前、薬を飲む前に測定します。
- トイレを済ませ、椅子に座って1-2分安静にした後に測定します。
- 夜は、就寝前に測定します。
- 毎日測定する場合は、できるだけ同じ条件で測定することを心がけてください。
- もし可能であるならば、追加的に勤務時間帯、夕食前、晩の服薬前、入浴前、飲酒前に追加して測定しても良いです。
どのようにして測定するの?
- 素肌か薄手の着衣の上に、肘が曲がる位置でカフを巻きます。
- 背もたれにもたれてリラックスして、両足をついて座ります。
- カフの高さは心臓と同じ高さ(乳首の位置)にし、手のひらを上向きにします。
- 利き腕と反対の腕で測定しますが、左右差が明らかにある時は血圧が高い方で測定します。
- できるだけ値を一定にするために、測定は同じ腕で測定することが望ましいです。
何回血圧を測定したらいいの?
- 家庭血圧測定は原則2回測定し、その平均値をその時の血圧値として用います。
- 多くても3回までに留めることとして、測定値は全てを記録し、選択しないことが推奨されています。
血圧が高かった場合、救急受診する必要があるでしょうか?
- 180/120mmHg以上など、血圧が極端に高いときには注意が必要です。
- 特に何か症状がない限りは、必ずしも直ちに救急車を呼ぶことや救急外来を受診する必要はありません。
- ただし、早めに病院を受診してください。
- 一方で、症状があるときは、血圧値にこだわること無く、病院で診察してもらうことが必要です。