来院前AI問診により、看護師の業務負担を軽減。 本来のコア業務に集中でき、医療の質向上に大きく貢献。
診療科: 複数科
規模:  病院
都道府県:熊本県
●施設情報
一般財団法人 杏仁会 江南病院
所在地 : 〒862-0970 熊本市中央区渡鹿5丁目1-37
Webサイト : http://www.kyouninkai.jp/konan/index.html
●インタビューにご協力いただいた方々
瀬戸口 敬介さま(院長)
前田 尊明さま(看護部長)
増永 祐介さま(医事課 課長)
※インタビューは2023年7月7日に行い、その時の情報に基づいてまとめました。
POINT

問診業務の負担軽減が課題

受付看護師の人員削減に成功 本来のコア業務に集中できる環境へ

医事課とのタスクシェアにより患者さまと向き合える時間が増えた

一般財団法人 杏仁会 江南病院(熊本市中央区)では、2021年12月に『今日の問診票』を導入。

今回は、院長 瀬戸口敬介先生、看護部長 前田様、医事課 課長 増永様 に、導入の背景や効果についてお話をうかがいました。 

問診業務の負担軽減が課題

ーー診療科目や理念について教えてください。

当院は内科、整形外科、リハビリテーション科など、幅広い診療に対応した総合病院です。

一般病棟、地域包括ケア病棟、回復期リハビリテーション病棟、医療療養病棟、結核病棟と5つの病棟を有し、救急医療や急性期医療、回復期リハビリや慢性期医療にも積極的に取り組んでいます。

患者さまには迅速かつ正確に対応し、人間愛を込めた医療を目指しています。

ーー『今日の問診票』の導入を検討したきっかけを教えてください。

外来患者さまの問診に、看護師の人手と時間を取られていたことが課題でした。

当院では看護師が待合室で患者さまにお話を伺いながら、紙の問診票に手書きで記入し、カルテに転記していました。

『今日の問診票』により看護師の業務負担を軽減できれば、本来注力すべき医師の診察や治療の介助に時間と労力を費やすことができ、患者さまの待ち時間短縮にもつながると期待しました。

ーー『今日の問診票』を選んだ理由、決め手を教えてください。

問診結果から鑑別診断が表示され、教科書によって最適な治療法を提示してくれる点です。

また、紹介状をiPadで撮影するだけで文字起こしできる、OCR機能も便利です。

よく使う機能なので、撮影専用のラックを製作しました。これにより、さらに効率よく撮影が可能になりました。

受付看護師の人員削減に成功
本来のコア業務に集中できる環境へ

ーー『今日の問診票』導入後の具体的な成果を教えてください。

受付看護師の人員を削減できたことです。

当院では、各診療科の受付を総合受付にて行っており、『今日の問診票』への回答も総合受付に集約しています。

導入前は再診の受付業務に看護師2〜3人を要していましたが、『今日の問診票』を導入してからは1人でも対応可能になりました。

その結果、他の看護師は医師のサポートに回ることができるようになっています。

加えて、患者さまの待ち時間がコロナ前後で変わっていないことも、大きな成果といえます。

以前は発熱外来の患者さまは別の場所で診察していました。

医師は防護服に着替えて患者さまの場所まで移動し、治療、処方していたので膨大な時間を取られていました。

しかし『今日の問診票』導入後は、事前に問診を済ませているおかげで、患者さまから直接聞き取りをする必要がなくなり、医師は移動をせずに診察室からZoomで診察できています。

患者さまが増えて医療行為や看護行為が増えているにもかかわらず、待ち時間が変わらないということは、効率化できている証拠です。感染拡大の予防にも貢献していると思います。

医事課とのタスクシェアにより
患者さまと向き合える時間が増えた

ーースタッフさまの反応はいかがですか?

受け入れはスムーズでした。各現場に合わせてカスタマイズしながら使用しています。

看護部としては、医事課で紹介状をデータ化してもらえるなど、タスクシェアにより受付業務を効率化できました。その分、患者さまに向き合える時間が増えています。

ーー患者さまの反応はいかがですか?

とても良いです。

発熱外来や専門外来など予約必須の診察に関しては、ほぼ100%の外来患者さまがスマホやパソコンを使って『今日の問診票』を利用されています

電話予約の際に、当社ホームページをご案内していますので、予約完了時には問診も完了している状態です。

それにより患者さまの待ち時間の大幅な短縮につながっています。

80歳の方でも5分前後で入力できていますので、操作性にも優れていると思います。

病院の滞在時間が短くて済むので、安心感も高まったようです。

ーー今後『今日の問診票』に期待することはありますか?

患者さまの身近にいる「かかりつけ医」にも、ぜひ『今日の問診票』を使っていただきたいです。

地域医療連携によって正確な情報を随時共有できれば、より質の高い医療を提供できると期待しています。

ーー本日は貴重なお話をありがとうございました!