
医療法人財団 荻窪病院
所在地 : 〒167-0035 東京都杉並区今川3-1-24
Webサイト : https://www.ogikubo-hospital.or.jp/
代表番号 : 03-3399-1101

院長 布袋祐子 先生
TQM推進部 山本様、竹川様
・人手不足が喫緊の課題であると認識
・少人数でも回せる体制づくりを確立
・転記作業時間を大幅に軽減
・医療現場の効率化につながる
医療法人財団 荻窪病院(東京都杉並区)では、2022年4月に『今日の問診票』を導入。
今回は院長 布袋祐子 先生、TQM推進部 山本様、竹川様に、導入の決め手や運用状況、具体的な成果についてお話をうかがいました。
コロナ禍で直面した看護師不足に危機感
ーー診療科目や理念について教えてください。
荻窪病院は東京都杉並区にある急性期病院です。
25診療科、8センター、252床を有し、地域医療支援病院として、救急医療や紹介患者さまの受け入れに尽力しています。
新型コロナウイルスにも積極的に対応してきました。
当院は、戦前に軍用機を製造していた中島飛行機株式会社の東京工場医務室から始まり、1950年に現在の財団医療法人として発足しています。
ひと昔前の杉並区は急性期病院の数が限られていました。
その環境の中で、地域に根差した医療を提供し続け、杉並区民57万人の健康を支えてきた病院のひとつであるという自負もあります。

ーー『今日の問診票』を導入した経緯を教えてください。
患者数の増加に伴い、業務と人員が一気に増えたことで業務負担が増し、10年ほど前からタスクシフトに取り組み、ここ数年はここ数年は業務のDX化を進めています。
まずはRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)システムを導入し、事務系の仕事の一部を自動化することから着手しました。
『今日の問診票』を導入するきっかけとなったのは、新型コロナウイルスによって外来看護師やMA(医師事務作業補助者)の欠勤が増え、慢性的な人手不足という問題に直面したことです。
まだ先のことだと考えていた労働人口減少に伴う人手不足が、コロナ禍によって喫緊の課題であると認識させられました。
人手不足が深刻化する前に問診業務を効率化して、少人数でも回せる体制づくりを確立しようと、『今日の問診票』の導入を検討しました。
オンプレミス運用とドクターの高評価が決め手
ーー『今日の問診票』を選んだ理由、決め手を教えてください。
一番の決め手は、オンプレミスでの運用が可能な点です。
セキュリティに不安を感じるクラウドではなく、オンプレミスでの運用が可能であることが条件でした。
加えて、他社製品を含めて幾度かデモを行った際に、各科のドクターから『今日の問診票』が高評価を得たことも導入を決める後押しとなりました。
電子カルテ転記の負担軽減と記録内容の質の向上
ーー『今日の問診票』導入後の具体的な成果を教えてください。
電子カルテへの転記作業時間を大幅に軽減できました。
紙の問診票から電子カルテに転記していたときは平均で10分ほどかかっていましたが、『今日の問診票』を導入してからは、問診結果をコピペするだけなので、5分ほどで転記できています。
お薬手帳や紹介状はOCR機能でテキスト化できるので、手入力していたときよりも大きく負担が軽減されました。
さらに、カルテの質向上、標準化に繋がっていると思います。
導入前は、患者さまが記入した問診票に、看護師が聞き取った補足情報をメモしていました。
しかし、このメモがカルテに転記される際、人によってニュアンスが変わったり、誤記載や転記漏れなどの不備が生じるケースもありました。
導入後は、患者さまが入力した問診内容が全てそのままカルテに記載されるため、人による記載のばらつき、情報漏れ、記載誤りがなくなり、カルテの質向上や標準化、ひいては医療の質向上にもつながると考えています。
ーー患者さまの反応はいかがでしたか?
ほとんどの患者さまが受け入れてくださっています。
高齢の患者さまもスマホやLINEを使い慣れている方は、抵抗がないようです。
紙の問診票も残しており、希望される患者さまへは紙で運用するなど、柔軟な運用をしています。

ーースタッフさまの反応はいかがでしたか?
導入当初は「日々の業務が忙しいうえに、新しいことをプラスするのは難しい」という反応のスタッフもいました。
しかし『今日の問診票』が医療現場の効率化につながると信じ、少しずつでも使ってもらえるように促しました。
スタッフも1年間試行錯誤しながら使う内に、今となっては「慣れたらとても便利になった。今日の問診票がないと困る」とその有用性を実感しているようです。