AIによる事前問診で、患者さまの症状を正確に把握。適切な診療準備により診察時間の効率化を実現
診療科: 複数科
規模:  病院
都道府県:三重県
●施設情報
国立大学法人 三重大学医学部附属病院
所在地:〒514-8507 三重県津市江戸橋2丁目174
Webサイト:https://www.hosp.mie-u.ac.jp/
代表番号:059-232-1111
●インタビューにご協力いただいた方
山本 憲彦さま(総合診療部 教授兼部長)
※インタビューは2023年7月27日に行い、その時の情報に基づいてまとめました。
POINT

・初診患者さまに抵抗なく利用いただけている

質問の重複を防ぎ、問診・診察時間を短縮

・症状の詳細な事前把握により、診療準備が可能に

三重大学医学部附属病院様(三重県津市)では、2022年10月に『今日の問診票』を導入。

今回は総合診療部 教授兼部長  山本憲彦先生に、導入の決め手や運用状況、具体的な成果についてお話をうかがいました。

ーー診療科目や理念について教えてください。

三重大学医学部附属病院は、厚生労働省が指定した全国87病院のうち、三重県で唯一の「特定機能病院」です。

人間性豊かな優れた医師や医療者の育成、最先端の医療や医療技術の開発、そして重症患者さまの最後の砦となる医療を展開しております。

病床数は685床、高度急性期・急性期医療を中心に担っています。

年間で約1万8千人の入院患者さま、約33万人の外来患者さまを受け入れています。

初診患者さまに抵抗なく利用いただけている

ーー『今日の問診票』を選んだ理由と活用状況を教えてください。

紹介していただいた際、営業担当の方の熱意に心を打たれたことが一番の理由です。

他社製品との比較検討はしませんでした。

活用状況としては、総合診療科で1日あたり2~3名程度の初診患者さまにご利用いただいています。

大学病院の総合診療科には、特殊で複雑な症例の方が来られます。

1人の患者さまにつき1時間以上の診察になることもあるため、1日あたりの患者数は多くありません。

比較的若い患者さまが多く高齢の方は少ないため、タブレットの入力に抵抗感を示されることもなく、有効に活用できています。

ーー『今日の問診票』の運用フローを教えてください。

総合診療科の初診受付にて、医事クラークが患者さまにタブレットをお渡しして入力を依頼。

その後、電子カルテ端末から問診結果を確認し、私がカルテにコピペしています。

診察室では、『今日の問診票』が作成したカルテの下書きを参照しながら、必要な情報だけをお聞きしています。

質問の重複を防ぎ、問診・診察時間を短縮

ーー『今日の問診票』導入後の具体的な成果を教えてください。

患者さまへの問診時間、診察時間が短縮できていると思います。

紙の問診票のときは、診察前に看護師が予診をしていました。

しかし、その内容はすべてがカルテに反映できているわけではなかったため、診察時に患者さまへ同じ質問をしてしまうこともありました。

『今日の問診票』導入後は、これまで看護師が予診で聞いていたような詳細な内容が、カルテに全文コピペできるため重複質問がなくなりました

診察時間が長くなるケースが多いため、大変助かっています。

症状の詳細な事前把握により、診療準備が可能に

ーー『今日の問診票』を導入して良かったポイントはありますか?

患者さまの症状を事前に、詳細に把握できる点です。

複雑な症例が多いため詳しく書かれた紹介状をいただきますが、実際に患者さまと話すと紹介状の内容と異なる場合があります。

『今日の問診票』では患者さまの言いたいことがストレートに届き、「何を聞こうか」「どういう鑑別をあげようか」など、診療準備として先に考えられるので助かっています。

ーー今後の展望を教えてください。

救急科と総合診療科の連携をより強固にしていきたいです。

救急科から一般病棟へ入院される患者さまに対し、ホスピタリスト的な役割を担っていきたいと考えています。

ーーありがとうございます。ぜひ救急科にも『今日の問診票』を展開できればと思います。

本日は貴重なお話をありがとうございました!